二十年前のことでございます。某通信機器の会社より図面を頂戴しまして「なーんだ、普通のボルトじゃん」とゆうのりだったのでありますが、何となく厭な予感がいたしました。再度、図面を検分するに10ミリの六角ボルトなんですけど、六角の平径が「16」なのであります。設計のかたに訊くと日本工業規格に則ったのでそれが何か!と切り返されました。
調べるとなるほど仰る通りだ。「JIS-B1180」では1985年改定の新規格がそうなっている。それでもって「附属書」と称して旧規格になってしまった平径「17」のボルトがぶら下がっております。
ここでいう平径と申しますのは、六角の対辺幅でございます。工具箱を開けて頂きますと六角のスパナを見ていただければそこに数字が書いてあるので確認できる筈です。
さてさてその設計のかたは別にアタラシモノ好きとゆうわけではなく最新版が正しいと判断なすったわけです。しかし現実は「17」の平径の附属書のほうの規格が流通しておるわけです。
日本工業規格認定工場に訊いても、そんなもの(新しい規格)あるのかと存在自体ご存知ない。しかも金型自体がおまへん、金型代出してくれますかと言われました。
そんなこんなで、我慢してくださいあなたの仰ることは充分理解りますが現実そうなっているのです厳しいですねえ世の中は、と設計のかたを説得して「17」に変更していただきました。
二年後に、業界の技術的な教室に出席したさいに業界ん十年といった偉い先生に、この現実と規格の乖離について困ったことがありましてんと質問したところ納得のいく返事はいただけませんでした。
ですからこの附属書とゆうのはグレーゾーンに位置するとわたくしは考えております。
この附属書とやらが2009年中をもって廃止になるとゆうので、業界が慌てているのでございます。あれからもう二十年経っているのに。一等心配しておりますのが「両方あり」とゆうパターンです。新規格だとそれを締めたり緩めたりする工具を全て刷新しなくてはなりません。また、既に出回っている工業製品のメンテナンスに旧規格の工具もないと困る。使用者は六角の幅なんていちいち覚えてくださらないのであります。レンチ取ってええといって合わない可能性大です。どちらかにしてください。
また殆どのサイズは基準寸法が同じでも公差等の諸条件が異なります。固いこと言うなようと言われそうですが。
大体やねえ。あの経済産業省(当時の通産省)は何を考えて、短いサイクルで規格を新しくしてくれちゃっているのだろうか。
平座金(JIS-B1256)になると1963年もの、1978年もの、1998年ものと三種類ある。1963年ものは相変わらず「旧JIS」規格として根強い人気があり流通しているし、1978年ものは「新JIS」規格として安定すると思いきや1998年ものが出た。これは二十年前と同じでその規格の存在自体を知らない業者さんもいる。これも1978年ものが「ISO」と一体化してめでたしめでたしではなかったのか。公差も何気に違いますし。
「6ミリの座金をくれ、クロメート鍍金で」
「1963年ものになさいますか、それとも1978年ものがよろしゅうございますか、1998年ものは当店では未入荷なのでございますが」
「そうかい、残念だったなあ。じゃあ1978年でいいや」
「お目が高うございます」
なんてアリエナイザー。毎年新しい年の日本工業規格が変更になっていやしまいかとドキドキいたします。
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こらまた、不肖、タイトルでどっかのえろうお高そうな年代モノお酒かと思うちょりましたら・・・「ねじ」のお話どすなぁ(微妙に「京都もどき弁」が混じる汗)。京都で「先の大戦」と聞かはると「応仁の乱」ではなくて「鳥羽伏見の戦い」だそうでおますねんのねん(なんじゃそりゃ?の汗)。
> 「お目が高うございます」
すると「1963年モノ」でありまっすと・・・
「これはこれは、だんな、隅におけまへんな。こんなジョウモノ、滅多にお目にかかれまへんで!・・・えろう、おおきに!」
・・・ってな感じどすね(最後までヘンテコな京都弁の汗)。
じつはこの1963年ものが一等普及しておりまして、お求め易くなっております。在庫も豊富にございます。新しいほうが些か稀少品となっております。
変なのって言われても仕方がないのですけど。