2011年12月10日

ユーゴー書店最終日に移転した明治屋に行って感じたこと

バタバタしておって随分時間が経ってしまつたけれど「ユーゴー書店と旭屋梅田店閉店から思うことあれこれ」を投稿したその当日、即ち12月6日が調度ユーゴー書店の閉店の日であるとの報を先輩から受けたので、これは行かねばならぬとあべのに向かつた。
明日のない店内の空気は重苦しい。失職する店員さんがいるのかと思うと気の毒である。彼らから、翌日から片付けをするとゆう話を漏れ聞いた。

ユーゴー書店は開業八十年を越える老舗だとは知らなかった。店内を物色していて「おおこれは凄い」といまさらながらに思ったのは、岩波書店の書の充実ぶりである。岩波新書なぞ同じ書が三冊以上置いている。大きな規模の書店でも、これだけの数は揃わない。なかには経年変化し褪色した表紙の古い新書なんぞもあり、岩波で絶版している書が入手できなくて困っていたことがあつたのが、この店の豊富な品揃えには気づかなかった。

店を後にして一杯やろうとゆうことになり、はて、あの明治屋がキューズモールでリニューアル移転した筈だ。前前から行きたかった。ちうわけで、明治屋にしました。
new_meijiya.jpg
再開発大規模商業ビルであるキューズモールの感心する点は、以前この地で営業していて立ち退いた店を大きな建屋のなかでも駅至近の恵まれた場所に設けたことで、小ぎれいになったとはいえ、aaだとかグリルマルヨシだとか赤垣屋といった昔日のラインナップが小さな一角にあつて仄かに嬉しい。
なかでも明治屋は前の店の面影をできるだけ忠実に復元しており、激しく嬉しい。ざっくりで値上がりもしていないみたい。
しかし座した卓の狭さと、隣席の酔客二人連れの大声にはげんなりした。
大声で話す内容も「あんまりそんなに大きな声だったら駄目じゃん」的会話であり、しうまいときずしの二皿とビールだけでスペースがない卓で、なまこいりまへんかと押し売りを店員がするのである。苛苛してきた。ビールをお代わりしたのが来ない。店員がなまこいりまへんか。おいおいビールが来てないやないか、どないなっとるねん。
カウンタが空いたので移らせてくれと頼むと、最初はできませんと言う。あのなあ、空いているやん席、うるさいねん隣の奴が、ええ加減にせえちゅうねん。
わたくしはキレそうになっている。
そうやってカウンタに移るとほっとした。なまこも頼んだ。うな肝も頼んだ。そして日本酒を頼んだ。樽酒も頼んだ。これでなくては。
「客層がちょっと変わってきてしもうて、こんなことですみません」
カウンタの内側から声がした。

別に変わるなとはいう立場にはないが、自分が何だか古参の客、口うるさい年寄りになったような寂寥感が湧いてきた。
タグ:あべの 岩波
posted by 井上勝裕 at 23:59| Comment(5) | TrackBack(0) | 上方ええのう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
以前に「ぜー六」の紹介をされましたが、大阪でも
有名な店で、友達の会社の近くでもあって何度か訪問し、親父さんとも話したことがあります。その際は見ただけで失礼しましたが、今回邱永漢さんのHPでも紹介されていたので連絡します。検索で「はいQ」と入れるとTOPに出てきます。今日感会第87回です。小さい店だから大阪の昔を守れるのかも知れませんね。
Posted by ひろまり2007 at 2011年12月11日 10:17
ひろまり2007さん

サイト拝見しました。

ぜー六は大阪市内の本家以外に
河内永和と河内山本に分店されておりました。

河内山本の店主の娘さんが同級生でして、高校生の頃からよく通ってました。現在は移っているみたいですが。
大阪独特の濃い味です。現在でも嗜好は変わっておりません。欧州は皆コーヒ濃いから(食事の関係かもしれない)大丈夫ですけど。

年齢くったなあ。
Posted by inowe at 2011年12月12日 12:25
初めまして。mknと申します。
ユーゴー書店閉店には驚きました。私も梅田の紀伊國屋がどうも苦手で旭屋本店が好きでした。同じことを感じておられた方にお会いしたのはうれしいのですがユーゴー閉店共々複雑な気持ちでもあります。
「出版ニュース」最新号に全国主要書店の売り上げ推移が掲載されていましたが、ユーゴーは2009年、急に売り上げを落としていました。おそらくキューズモール建設などで人の動線が変わってしまったのでしょう。友人も、最近急に品揃えが悪くなっていたと申していました。

再開後の明治屋、マルヨシとも未訪です。特にマルヨシはビストロ風洋食という印象だったのですが、旧店舗の最後の時期には普通の洋食屋になってしまったようで寂しい気持ちがしたものです。
それから鰻の「双葉」。何があったのかなかったのか、この「あべのViaWalk」に入るはずだったのでしょうに...。
Posted by mkn at 2011年12月18日 22:04
mknさん

>ユーゴー書店閉店には驚きました。私も梅田の紀伊國屋がどうも苦手で旭屋本店が好きでした。

同じ嗜好のひとのいることに、ほっとしました。

マルヨシはきれいになりすぎ(笑)店のまんなかのストーブなさげ。
昔は、こどもが店の構えをみてどん引きしてました。
双葉はあべのから離れたらしい。

「立地」とか「風情」も店の味の要素だと思います。
あべのを破壊して放置し続けた大阪市の再開発事業のずさんさに辟易しております。
Posted by inowe at 2011年12月20日 09:52
mknです。お返事ありがとうございます。

フロアの広すぎる書店、我々は苦手なのでしょうか。多層階で各フロアの雰囲気が違う方が好みなのでしょうか。なんばのジュンク堂がその点ではましです。

「双葉」の閉店、これはユーゴー以上にショックでした。
前便では申しませんでしたが阿倍野辻調の近くで営業はしています。「食べログ」に厳しい評価が載っていますが付け加えるものはありません。仮店舗最後の頃に訪れたときの食後感と残念ながら一致します。おはぎの餡も、味は変わりませんがずいぶん水っぽくなっていました。

阿倍野に限らず再開発がうまくいかないのはなぜでしょう。元を取ろうとしすぎるからでしょうか、キレイキレイにとしすぎるからでしょうか。
Posted by mkn at 2011年12月21日 00:22
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