2009年06月17日

曖昧な日本のHBV

「母親が伝染しましてん」
十年以上も前の話であった。五十半ばの男は自分の娘が肝炎に罹ってしまった原因が自分の母親にあると吐き捨てるように言った。同居していた母が肝炎だったからである。祖母が孫に伝染したとゆうわけである。
明らかに憎しみの気持ちがこもっていて、わたくしは肝炎の型が何型なのか深く立ち入って訊こうとは思わなかった。

はてさてHBV持続感染者がわたくしの身近に三人いらっしゃいます。通常の生活範囲ならば伝染すことはない。しかし、医師にせよ厚生労働省の見解(PDF)にせよ、大丈夫ですとは明言していない「常識的な社会生活を心がけていれば、日常生活の場では、HBVに感染することはほとんどないと考えられています」(同上の厚生労働省資料のQ20感染と予防より)とゆうふうに「常識的な社会生活」で逃げている曖昧な表現である。
自覚症状のない感染者もかなりいるだろうから、氷山の一角である。
B型肝炎、原告300人超す 8地裁で新たに45人提訴
乳幼児期の集団予防接種で注射器が使い回されB型肝炎ウイルスに感染したとして、全国の患者や遺族計45人が16日、国に計約15億円の損害賠償を求め て全国8地裁で一斉に提訴した。金沢地裁で初の提訴となるなど、B型肝炎訴訟の原告数はすでに提訴している原告と合わせると全国10地裁で330人(患者 320人)となり、300人を超えた。
訴状によると、国は遅くとも1948年にはウイルス感染の危険性を認識していたのに、注射器の交換や消毒の徹底を自治体に指導する義務を怠ったため、予防接種によってB型肝炎に感染、慢性肝炎などになったとしている。
原告数は地域別でみると、福岡が110人と最も多く、北海道(52人)、広島(47人)、東京(41人)、大阪(40人)の順。原告・弁護団は同日、厚生労働省内で記者会見し、「すでに肝硬変や肝がんを発症し、余命わずかと宣告されている被害者が多数いる」と訴え、早期の被害者救済を求めた。
(「NIKKEI NET 2009/06/17 07:00」より)
これらHBV持続感染者は中高年になると肝炎になり肝硬変になり肝癌になる場合もある。ならない場合もある。インタフェロンを試みたひともいるが、医師によれば「それって十年前の発想だよなあ」との声もある。そんな300人やそこらで済むわけがないと思うのである。
わたくしの年代では多いのですがその因果関係が明確ではないし、国は認めるのだろうか、認めると炎上するぞ。
若き日のソフトバンクの社長はどうやって治したのだろうか謎であるが、あの経験があったので、怖いもの知らずになったのではないかと愚考する次第である。
昨日の医師とは関係ないけれど医療関係のエントリィが続きました。

つながり)「そしてHCVの輪が拡がる」

posted by 井上勝裕 at 18:28| Comment(0) | TrackBack(1) | 世間さま | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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