2008年10月04日

ねんきん特別便で不信感

舛添要一大臣からお手紙が来た。所謂ねんきん特別便となるものであります。何となく嬉しかったのでありますが、根本的に社会保険庁を信じていないので返信することに躊躇いがございました。
nenkin_mail.JPG
遡ること二十年弱のことであります。当時の人手不足はフリーターの横暴すさまじく人材確保及び面接に業務を裂かれておりました。その夥しいなか面接で印象に残っている場面がございます。
正社員として雇用する人材との面接で双方ある程度まで基本的合意に至ったのでありますが、肝腎な給与のところで滞ってしまった。そこで求職者のほうから提案がございました。
彼曰く「どうしても手取ウン万円欲しいので、その各種保険に入るのをなしにして欲しい」
そんなことはできないと突っぱねると、前の職場では融通きかしてもらってましてんけどとのこと。前の職場は履歴書によればれっきとした株式会社である。結局交渉は決裂した。
多くの場合、経営の苦しい企業が社保庁に対して、従業員の月給(標準報酬月額)を低く申告したと見られる。事業主は本来納めるべき保険料が安くなり、従業員から天引きした保険料も流用できるからだ。
「年金記録改ざん 悪質事業主と結託した社保庁」より抜粋(10月4日付・読賣社説・下記に全文)」
ああ、やはり危惧していたことが。年金記録改竄が露呈してしまいました。社会保険庁と事業主だけを犯人にしていいのかと件のやりとりを思い出しました。いざもらうときになって発覚となり、その場合だれがどれだけ悪いのか「経営の苦しい企業」のことだから存続している可能性も低い。やや呑気な論調の社説で「無論、最も大切なことは被害者の権利回復だ」(「前出・読賣社説」より)でしょうけど、まことにレアであると前置きしておきながら、証拠がないのをいいことに手取額を多くしたいがために加入者が能動的に不正をした場合もあるのではないか。後で被害者面しようと思えばできるわけだし。勿論このような証拠のない状況に陥った社会保険庁が元凶なのは明白ですが。
今回お送りした加入記録に記載もれがないか、記載内容に間違いがないか、十分にご確認いただき、「もれ」や「間違い」がある場合も、ない場合も、必ずご回答いただきますよう、是非ご協力をお願いいたします。
(「ねんきん特別便」より)
と言われても、一応加入記録には間違いはなかったのでありますが、その金額等の内容までは間違いなしとは断言できないわけで、このねんきん特別便を回答したら全てを認めたことになりはしないかと怖くて出せないのですけど。かといってこちらが以前勤めいた会社や現在の会社に「いくら払っていましたのでしょうか、天引き分ネコババしていないでしょうねえ」などと訊くのか。わたくしは気が弱いので出来ません。
ねんきん特別便は定期預金に何回続けています、でも金額はわかりませんねんけどとゆう通帳記入みたいであります。だって「現在届いている「ねんきん特別便」には、保険料を算定したその時々の標準報酬は記載がなく、改ざんされても気づきにくい」(「前出・読賣社説」より)のだから。
かといって問題だらけの社会保険庁に電話する気が起こらないのであります。パートさん等の外部委託の可能性が大だろうから。この辺、現与党に対する責任を問いたいところでありますが社会保険庁の組合がオザワさんとこ支持してる点がひっかかり、どうなんでえ、そのへんおとしまえつけられるのかよう。どっちもどっちだなあと溜息をつくのでありました。うやむやになりそうな気がいたします。
ねんきん特別便に返信すべきなのでしょうか。


年金記録改ざん 悪質事業主と結託した社保庁(10月4日付・読売社説)

厚生年金の記録改ざんは相当に大きな規模で行われていたようだ。

舛添厚生労働相は、社会保険庁のコンピューターで管理している厚生年金記録1億5000万件のうち、改ざんされた可能性のある不自然なものが、延べ143万件に上ることを明らかにした。

しかも、記録がコンピューター化された1986年以降に限って判明した分に過ぎない。厚労省は実態をさらに調査して、速やかに開示すべきである。

厚生年金の保険料は、企業と従業員が折半して納める。従業員の負担分は給料からの天引きだ。月給が高ければ保険料も高く、老後に受け取る年金も多い。

ところが、天引き額に見合った納付記録になっていない、とはどういうことか。

多くの場合、経営の苦しい企業が社保庁に対して、従業員の月給(標準報酬月額)を低く申告したと見られる。事業主は本来納めるべき保険料が安くなり、従業員から天引きした保険料も流用できるからだ。

さらに、こうした行為を社保庁職員が黙認し、指導までしていた疑いが濃厚である。

保険料を滞納している企業が、記録改ざんによって負担が軽減した結果、保険料を納めるようになれば社保庁の徴収実績は上がる。悪質な事業主と姑息(こそく)な社保庁職員の利害は一致する。

舛添厚労相は「社保庁の組織的な関与があったと推量する」としている。だが、これほどの数で改ざんの可能性があるというのは、もはや推量の段階ではあるまい。社保庁の関与を徹底的に調査し、責任を追及する必要があろう。

無論、最も大切なことは被害者の権利回復だ。

まず、143万件の記録の持ち主、特に年金の受給が始まっている高齢者には早急に知らせる必要がある。改ざんがあれば、ただちに救済しなければならない。

国民に対する年金記録確認の呼びかけも、一段と工夫が要る。

現在届いている「ねんきん特別便」には、保険料を算定したその時々の標準報酬は記載がなく、改ざんされても気づきにくい。

厚労省は、来年以降の「ねんきん定期便」には標準報酬を記載する方針だ。しかしそれでも、何十年も前の月給に不審な点があるかどうか、見極めることは容易ではないだろう。

分かりやすい「定期便」にするために、幅広く知恵を募ることも必要だ。
(2008年10月4日02時11分 読売新聞)
posted by 井上勝裕 at 17:35| Comment(2) | TrackBack(1) | 世間さま | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アメリカで国立機関に勤務している友人から聞いた話では、年金の掛け金については毎年個人宛に収支決算(掛け金と積立額)を知らせてくるといっていました。日本もそういう制度にしておれば社保庁の犯罪は起こらなかったと思えてなりません。
Posted by むだばなし at 2008年10月05日 13:26
むだばなし様。

遅レスで申しわけない。
ねんきん「定期便」が来るまであと十年あるのですが、それまで信じてろってことですかと言いたい。
「定期便」も「特別便」と同時に送って頂きたいのですが、人手の問題もございましょうが、ぼろがでまくりでしょう多分。
Posted by inowe at 2008年10月11日 18:02
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Excerpt: 「ねんきん特別便」です。 と、大きな字で届いてから、もう1、2か月。 そのまま手元に置きっぱなし。 はてさてどうしたものか、と...
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