2008年08月19日

奴隷容認派の無神経さ対して

それっておかしいんじゃあないですか!
と先輩が総務の次長に陳情した。
わたくしが勤め始めた頃は寮に住んでいた。その寮は当時わたくしが入った会社の関東の五つの営業所の若者が集まる寮であった。その寮から各営業所の社内メイルと称した封筒が寮に集まる。集まった書類は各営業所と総務や管理部門の宛先で分類されて寮生が運び、往き来することになる。これを外部業者に委託するなら経費がかかる。
その代わり日産サニークラスの社有車を相乗り出社することが当たり前になっていた。結局大阪人にとって地獄のような朝の東急電車には乗らずにすんだが246号線が混むので、快適な通勤手段を望むならば早朝になる。時間的には同じことだ。
ぺーぺーだったので何の疑念もなかった。安い寮費で住まわせて貰ってるのだしまあいいじゃあないかと。しかし考えればおかしな話である。アフターファイブ(実際はファイブじゃないし、殆どが寮生一緒くたに帰るわけだし)にそんな会社の重要な書類持って遊びに行くわけにもいかないではないか。その先輩の言もよく理解る。
規模が大きいとも小さいともいえぬ発展途上の会社であった。このようなことはまあ仕方がないのではないかと思い従順に従うのであった。

ただぺーぺーの身分で申しわけないが上司の自宅が寮と同じ方向にあったのでタクシー代わりに使われたのには穏健に逆上した。いいですか穏健に逆上したのですよ。
仕事を置いていいよと言われ、蓋を開けると何のこたあないタクシー代わりである。ついでならいいが目的になっているので、それが連日に及ぶとさすがに売り上げの少ないタクシードライバーの如く無愛想になり首都高三号線を時速百四十キロでサニーを疾走させている。走行距離十万キロを超えている車体とステアリングががたがたと震え始める。
「おいおい大丈夫かい」
と上司の心配に対して
「ええ何かしら急いでたら震えるんですよねえ、結構走ってますもんねえこのサニー」
とクールに答えるのでありました。

あの時代はあの時代で現在と違った意味で理不尽な命令が状態化していた。でも牧歌的であった。

現在、正規雇用と非正規雇用との格差と、大企業と中小企業との格差と前期労働者と後期労働者との格差と、先進国と途上国との格差と、これらが複雑に入り混じっているのでなにが最大公約数的な解決法なのか結論が出せない。

正社員は高い水準の給与を確保しようとするし、大企業は中小の下請けから安く買おうとするし、若い頃にこき使われ薔薇色の後期が来ると信じていた中高年はひっくり返されるのを危惧するし。
端的に言えば、ある程度泣いてもらう必要のある隷属する存在に近いひとびとが支えているそんなもんだという認識が常態化してよいのだろうか。
昨今の隷属する者の存在があって成立する陰鬱な世界。
この理不尽さくらいは経験上理解っているしそれに対して是正する気もないし苦悩していないと思われるのは心外である。既得権益を手放したくない守りの立場と誤解されておられるかたがいらっしゃるようだが、まともな神経をお持ちであればそうでないことをひとこと釈明申し上げる次第。
「会社って理不尽なものですよ」とわたくしにアドバイスなさる有難きひとがいらっしゃるがどうだろ。
まともに話ができない相手か、そうでないなら相当悪質だなあ。
posted by 井上勝裕 at 23:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 仕事関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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